【「ひとり暮らし高齢者(独居老人)」 増加の現状と課題】

 

少子高齢化と団塊の世代の高齢化によって、高齢者が増加していることは、皆さんご存じでしょう。

 

日本では、高齢者の数そのものが増えることが問題のように言われていますが、実はそうではないのです。

 

本当に問題なのは、

自分だけで生活を維持していけない高齢者が増加していることです。


その最たる例と言えるのが、「ひとり暮らし高齢者」と呼ばれる方々です。「独居高齢者」「独居老人」などと言われることもあります。


ひとり暮らし高齢者が抱える問題点においては、次のようなものがあります。



・適切に介護保険サービスが利用できない
・家族や親族などの身寄りがない
・一人である分、経済的な負担が大きい


 

介護保険についての知識が薄かったり、体が満足に動かず、市役所や施設などへ自ら相談行けなかったり、という方が多くいます。

多くの場合、配偶者や家族、後見人らが相談に行くのが通常ですが、ひとり暮らし高齢者の場合は、それすら難しい状態にあるのです。


また、たとえ利用できることになったとしても、今度は経済的な負担の面で必要なサ-ビス、もしくは希望するサービスが受けられない現状もあります。

 

特に24時間対応の訪問介護や介護施設の利用は、経済的な負担が大きいだけでなく、利用者の増加でサービスを提供できる事業所の数自体が足りないとも言われています。

こうした現状を打破するために、「地域コミュニティの強化」や「民間サービスの質向上」などが進められています。

例えば、国が主導する地域包括ケアシステムや、介護系の民間サービス事業者の参入促進、などがそれに当たります。


さて、ここまで「ひとり暮らし高齢者」の問題点、マイナス点ばかりを説明してきましたが、中には“自ら望んで独りを希望している高齢者”もいることを忘れてはいけません。

そのため、「独り=改善すべき問題」と短絡的に結び付けないことが大切です。


あくまでも、本人の意思を優先しながら、家族・地域・行政・民間サービスなどとのつながりを強めていく方法を模索することも、今後の日本の課題となりそうです。

 

執筆者「尾崎 海 (おざき かい)」


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2017年01月24日